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英米に伝えられた攘夷の日本(4-10)追記2

水道の民営化で大きな被害を被ってきた欧米の再公営化を目指す動きが「津波」のようだと表現されている現在、安倍政権は世界が羨む公営水道の民営化を進めています。民営化によってどんな被害があり、再公営化によってどんなメリットが得られたか、欧米の事例を紹介します。

世界の潮流に逆行する安倍政権の水道法改悪案

 2018年7月5日、気象庁が異例の記者会見で西日本豪雨の警告を出した日に、衆議院本会議では水道法改正案が可決しました(注1)。災害報道と翌日の地下鉄サリン事件の死刑囚7人同時処刑の報道で、命の綱である水道を民営化しようという水道法改正案について、メディアが注意を向けられないタイミングを狙ったかのようです。

 『日本経済新聞』の論調は、民営化すれば老朽化対策が進む、水道経営が効率化されるというものです。『産経ニュース』は大阪北部地震(2018年6月18日)で21万人以上が水道の被害を受けたことで、水道の「民営化」と「複数の事業者をまとめる『広域化』を促す水道法改正案」(注2)が必要だと述べています。似たような論調が西日本豪雨災害でも出されるでしょう。本当にそうなのでしょうか? 識者の間では早くから民営化の危険性が訴えられていましたが、テレビ・メディアが取り上げることは少なく、問題点が知られていません。

 水道を含めた公共サービスを1980年代〜1990年代に民営化した欧州では、民営化による値上がり、水質汚染など様々な問題が噴出して、再公営化を始めています。再公営化の流れはアジア・アフリカなどでも起こっている時に、公営水道を民営化しようとする安倍政権は異様な逆行を強行しようとしています。「何十年と民営化を経験してきた結果の失敗が積み重なって、ドイツ、フランス、イギリス、スペインなどの各地で再公営化の動きが広がりつつ」ある実情について、生協パルシステムの記事「みんなの水が、企業のものになったらどうなるか?『水道民営化』を世界の事例から考える」(2018年3月26日、(注3))で解説しています。

 「サッチャー・イデオロギーの国であるイギリスにも再公営化の波が押し寄せている。他の国々同様、経費節約と質の管理の必要性がサービスを国有・公有に戻そうという原動力になっている」と調査報告書『公共サービスを取り戻す:どうやって市町村と市民が民営化を追い出しているか』(2017年6月、(注4))が分析しています。イギリスの場合、水道だけでなく、電気・ガス・鉄道なども再公営化の流れで、2018年1月の『ガーディアン』紙は最近の世論調査の結果で「水道の国有化賛成が驚くべき83%、電気・ガス77%、鉄道76%」だったと「民営化を取り消すことができる。しかも一銭もかからない」(注5)という記事で報道しています。

水道民営化の問題点

 民間企業の利益の追求が公共サービスの義務を無視してきたというのが幅広い市民の見解で、その例として、上記の記事はテムズ・ウォーター社の運営をあげています。

テムズ・ウォーター社は言語道断の最悪の例である。ルクセンブルクの持株会社を経由して、未公開株式所有者に過剰な配当を分配して、とてつもない負債をこしらえた。ルクセンブルクの会社経由というのは、イギリスの納税義務を最小限にする方法である。テムズ社の現在の投資率ではロンドンの水道本管を更新するのに357年かかる。日本では10年である。

 日本を比較に出しているところに、日本は公営水道で羨ましいというニュアンスが窺えます。『ガーディアン』の記事はこの後、いかにすれば公営化に戻せるかという提案が続きます。ヨーロッパのメディア『ニュー・ヨーロッパ』も2018年4月の記事「もはやコンセンサスはいらない:ヨーロッパの市営化の波は民営化にどうやって異議申し立てをしているか」(注6)で、1990年代にヨーロッパを襲った公共サービスの民営化が、今、再公営化の「津波」状態だと述べています。民営化がどんな弊害、被害をもたらしたか抄訳します。

 消費者保護という見せかけの名目で、民営化は公共サービスの質と利便性を破壊した。アムステルダムのトランスナショナル研究所(TNI)が最近発表した報告書『公共サービスを取り戻す:どうやって市町村と市民が民営化を追い出しているか』(注4)は公共サービスを公営化に戻すパターンを示している。TNIの研究者、ラヴィナ・ステインフォートに聞いた。

TNI:この報告書では、公共サービスの再公営化に戻した国々のうち、835例が自治体による市営、49例が国営ですが、両者は多くの共通点があります。両方の戦略が採用されたのは、公共サービスの民営事業者が市民の期待に応えられなかったからです。公共サービスを自治体や国が運営することは、市民の環境への懸念や政治的要求に応えられるのです。

 ヨーロッパ・アジア・アメリカ両大陸でPPP(Public Private Partnership官民連携)が失敗したのを受け、公営事業者は専門技術の交換、単価の切り詰め、生産性の増強を求めて、Public Public Partnership(官-官連携)の実験を続けてきました。外国資本が公共サービスを乗っ取ってコントロールする場合の第一の目的は株主のために利益を得ることです。この文脈で「経営・運営の合理化」と言うとき、それが意味するのは人件費の削減で、給料の賃下げや解雇から組合攻撃までを意味します。公共サービスの民営化の影響を見ると、「生産性の増強」の代わりに、サービスへのアクセス・質・効率の悪化があることは明らかです。これは「官民連携」に関する世界銀行とIMFの共同報告書の結論です。

 オスロの廃棄物処理でケース・スタディをしたところ、労働条件の恐ろしい悪化とサービスの悪化に関する数万の苦情という結果になり、2017年にオスロ市が民営会社から廃棄物処理を取り戻したのです。ヴィリニュス[リトアニア共和国]その他の自治体の暖房システムが15年間民営でしたが、ヴェオリアの子会社が一般家庭の光熱費を値上げして、自社に2430万ユーロも利益をもたらしました。ですから、2017年にこのシステムも自治体の公営化に戻されました。

再国営化・公営化の代償

 記事はこの後、民営化した水道を公営に戻すにはどの程度の費用がかかるのかの情報が続きますが、TPPで問題視されたISD(投資家対国家間の紛争解決)がこの場合も使われて、多くの国が公共サービスを再国営化・公営化した結果、企業や投資家から巨額の賠償金を要求されています。安倍政権が水道民営化を強行すれば、日本も予想しておかなければならない危険性です。例えば、上記のヴェオリア社(すでに日本の水道事業に進出)はヴィリニュスが暖房システムを公営化したことで、「フランス・リトアニア2国間投資協定」の元にリトアニア共和国を訴え、1億ユーロ求めました。アルゼンチンは空輸システムの再国営化のために外国投資家に3億2080万ドルの支払いを命じられました。民営化が失敗して国営化・公営化に戻すために、上限なしの額が納税者にのしかかってくるのです。そんなことなら、民営化せずに同じ額をインフラ整備にかけられたのにというニュアンスで記事は終わっています。

 安倍政権はアメリカが脱退してもTPP11締結とISDに固執して、「TPP11では、ISDの投資部分を凍結することで、ISDの懸念をかなり抑制しているが、ISD適用範囲を広く解釈すれば、理不尽な訴訟が起こり得る」(注7)と専門家は警告しています。

官民連携(PPP: public-private partnershipとPFI: private finance initiative)に対する警告

 水道法改正法案には「官民連携の推進:水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入する」(注8)とあります。この方式をPPP/PFI、コンセッション方式と呼んで、「水道・下水道・空港・道路等」(注9)に導入するとされています。2013年に麻生太郎財務大臣が水道民営化をアメリカで宣言し、同じ年に竹中平蔵氏が政府の「産業競争力会議」で「官業の民間開放の象徴としてのコンセッション、つまり、インフラの運営権を民間に売却して、その運営を民間に任せる。世界を見渡してみれば、港湾であれ空港であれ、インフラを運営する世界的企業が存在します」(注10)と述べたそうですが、安倍政権も竹中氏も世界の潮流を知らないはずがありません。英国会計検査院は「PFIでの入札は40%割高であり、コスト削減効果もなく、透明性も悪化」と警告し、ヨーロッパ会計監査院はPPPによるプロジェクトに「短所と限られた費用効果が広く観察され、約1924億円が無駄で非効率的に使われた」と分析して、EU委員会とEU加盟国に対し「指摘された問題点が改善するまでPPPを広い分野で集中的に使うべきではない」と勧告しました。(注11)

 日本以外の世界中で水道民営化から再公営化に向かう理由は、「民間企業による劣悪な管理運営」「投資の不足」「事業コストと料金値上げをめぐる対立」「水道料金の高騰」「民間事業者への監督の困難さ」「財務の透明性の欠如」「人員削減と劣悪なサービス品質」(注12)などが挙げられています。「(1-4)追記」で紹介したように、国連人権理事会がTPPに署名も批准もしないようにと異例の警告を出しましたが、2013年に水管理企業のヴェオリアがISD条項をもとにエジプト政府に8200万ドル要求した事例が挙げられています。

パリ市の再公営化

 フランスの水企業ヴェオリアは長年パリ市の水道事業を委託されていましたが、2010年にパリ市は契約更新をせずに、再公営化しました。この背景を知ることは、すでにヴェオリアが進出している日本にとって必要な情報だと思います。問題点を「パリ市水道事業の再公営化」(注13)から紹介します。パリ市とヴェオリアとの契約はコンセッション方式で、1990年代以降水道料金が2倍以上になり、市民の不満が募っていて、2008年に水道事業の再公営化を公約に掲げた社会党の市長が再選したそうです。そして、2009年にパリ市出資100%の「パリの水公社」を設立して、民営化から脱却しました。民間委託の問題点の一つは収益をチェックすることが困難で、会計検査院から「一般水準より多いリース料がヴェオリアなどへ支払われているという指摘や、会社側が維持管理のための積み立てが十分ではないという指摘が」されました。

 再公営化以来、ヴェオリアやその子会社が留保していた利益や株主配当金などが必要なくなり、3500万ユーロ節約できました。ヴェオリアは、パリの事業を失う財務的影響だけでなく、信用の失墜が世界市場での展開に支障をきたすと恐れて、契約維持をパリ市に訴えたそうです。そして、ヴェオリアが事務的引き継ぎにおける情報提供に積極的でなかったため、パリ市役所内の作業は困難を極めたそうです。結果的に、再公営化後の2016年の実績は黒字でした。民営化時代の失敗から、「ガバナンス強化」に取り組み、チェック体制として、「パリの水公社」の理事会と、市民による「パリの水監察」を設置しました。

 パリ市は水質維持のために有機農業を支援するという羨ましい取り組みもしています。水質維持のために、水源地とその周辺の農家に農薬を使わない有機農業を働きかけ、水源地周辺の土地を買い上げて保全するために資金援助を開始しました。その結果、2016年には「硝酸塩系農薬を使用しない作物の栽培面積が6%、有機農業への転換面積が28%増加」したそうです。次節で紹介する安倍政権の政策は真逆で、水道水中の農薬残留濃度を驚くような高レベルにして、水道の水質悪化を計画しています。

 一方、内閣府が発表した(2016年8月)「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」(注14)で、パリ市水道再公営化のヒヤリングを現地で行い分析していますが、パリ市にはヒヤリングをせずに、「関係者の多くは、『(その経緯は)政治的な動向に影響を受けた』と評価」(p.10)したとされています。官民連携ありきの目的で行われたヒヤリングだったようにも読めます。

ヴェオリアの日本進出

 水メジャーのヴェオリアが世界に向けた「ショーケース」だったパリの水道事業が2010年に更新されなかったことで、民営化に邁進する日本に目を向けたようです。外資系企業(ヴェオリア)が日本の自治体の水道業務を受託したのは2012年の松山市が初というニュース(注15)が出てから、2018年7月16日現在、ヴェオリア・ジェネッツ株式会社のホームページ「受託実績」(注16)に掲載されているのは、32都道府県、117市町、東京都では8区で、それぞれ個別業務委託をしています。2017年には浜松市の下水道の長期運営権売却コンセッション方式で、ヴェオリアとオリックスなどで構成する企業連合が優先交渉権を取得し(注17)、2017年10月に「浜松市公共下水道終末処理場運営事業に関する実施契約を締結」して(注18)、2018年4月に事業開始しました。日本におけるヴェオリアはヴェオリア・ジャパン社とヴェオリア・ジェネッツ社と二つあり、浜松市下水道事業には二つとも参入していますが、からくりがよくわかりません。
 この企業連合の1社、オリックスの社外取締役が竹中平蔵氏で(注19)、コンセッション方式を政府に強く提案していたことはよく知られています。外国人受入事業では諮問会議の審査員だった竹中氏のパソナグループが事業者となり、農業分野の戦略特区にはオリックスの子会社「オリックス農業」が参入し、竹中氏の利益相反行為は国会で問題になったそうです(注20)。このようにコンセッション方式による官民連携の上下水道事業には汚い臭いがします。

欧米が採用し始めている官官連携(public – public partnership)方式

 世界中で官民連携が失敗した結果、”public – public partnership”(PUP, 官 – 官連携)と呼ばれる再公営化が提案されています。コーネル大学とFood & Water Watchによる報告・提言書『官 – 官連携——自治体の水道事業のキャパシティーを活用する代替案——』(2012,(注21))から抄訳・紹介します。

 アメリカの多くの地方自治体が水道事業の財政的困難に直面し、これを民間水道サービス会社は公営水道事業を乗っ取るいい機会だと捉えた。しかし、公営水道システムを民営化することは地方自治体の財政問題を中長期的に軽減しない。民営化というのは、民間会社が往々にしてインフラ維持をいい加減にし、水道料金を上げ、サービスの質を下げる。崩壊したインフラや破損した水道本管からの水道供給の中断などで、多くの都市が民営会社との契約を破棄した。他のコミュニティは節約のためにPPPコンセッションン方式から離脱した。2007年から民営会社との契約を終了したアメリカの18地方自治体を調査した結果、公営化の方が民営化より平均21%も安いことが分かったという。

 一方、PUPはさらに効率的で、安く、住民の希望に応えている。PUPが非常にうまくいく理由は、現存する水道システムの管理を公営で維持しているからである。PUP方式は2つかそれ以上の自治体が協力して水道サービスを供給・向上するものである。PPP方式と違って、PUPはこの協力から利益を得ようとしない。達成目標は効率化、効力性、公平性である。PUPは3つの基本戦略で効率化を強化し、資本と事業費を軽減し、水道料金を下げるために、公的事業者が協力するキャパシティを利用する。第一の戦略は、バルク買い(一括購入)や事業費と維持費を下げるための規模の経済(scale economies)というメリットを活用するために、2つ以上の小さな事業者が団結する。2番目は、近隣の小さな事業者システムがお互いにシェアできるインフラに投資するために連携する。例えば、小さなタンクを2つ建てる代わりに、近隣事業者が1つの大きなタンクをシェアして、両方の事業者が投資コストを削減することができる。3番目は公営事業者はより効率的な公営事業者と連携を持ったり、NGO団体や自身の職員とチームを組んだりして、コストを削減することができる。これらの連携は技術者・エンジニア・最先端の職員の専門性を合体させ、効率性を最大限にして、コストを削減できる。

 PUPの強みは、①人的資源の育成と訓練、②幅広い分野における技術的支援、③効率化の向上と組織の能力構築、④水道サービスの資金調達などである。PUPは国内でも国際間でも活用できる。特筆すべきは、欧州委員会がPUPの国際間連携を重視し、アフリカや太平洋諸島における非営利水道プロジェクトに対し2010年に4000万ユーロのグラントを設立したことだ。そのガイドラインには営利目的の事業は排除すること、PPP官民連携には与えないと明記されている。

 アメリカにおけるPUPの実績は、その他の国々におけるPUPの優れた実績と一致する。アメリカの上下水道サービスではPUPの方がPPPよりずっと普及している。アメリカの都市部と郡部ではPUP方式はPPPの4倍多い。2000年代に入ると、利潤追求の民間企業契約が減少する一方で、PUPが増加している。

 小さな自治体ではPUP方式が大きな経費節約を生み出すためのサービスと共同出資に成功している。大都市では水道事業者は事業運用の再設計のために公務員と連携し、水道システムの経費節約を達成している。アメリカには約154,000の公営水道システムがあり、その82%は非常に規模が小さく、500人以下の住民対象である。地方の恵まれないコミュニティにはPPPよりPUPの方が公平である。

 メリーランド州バルティモア周辺の小さなコミュニティはバルティモア市と連携して水処理薬品などを購入することで、2010年に150万ドルの経費節約をした。公営水道事業はインフラのプロジェクトやサービスで協力することにより経費節約をしている。例えば、ミシガン州のガーデン市は民間企業ではなく、ウエストランド市と契約を結ぶことで、水道メーターの更新をするのに3万ドル以上節約した。

 アメリカにおけるPUP方式は、公営水道事業者と公務員組合との連携においてもうまくいっている。事業者—労働者連携は労働者の専門性を活用して、水道システムの効率性を増強し、コスト削減している。テネシー州ナッシュビルでは1998年に民間水企業2社が水道システムの民営化を求めたが、市は水道労働組合とパートナーシップを結び、水道サービスの再設計をして、経費節約をし、その結果、水道料金の値下げを達成した。2002年には事業者—労働者連携は850万ドル節約し、料金を値下げした。1998年にフロリダ州のマイアミ・デイド郡上下水道部は民営化しようという動きを阻止するために、地域の組合と連携関係を結んだ。この連携によって、水道部は職員に多くの革新的な経費節約イニシアチブを実行する力を与え、2010年には3500万ドルも節約できた。この節約はサービスの質を犠牲にしたためではない。2006年以来、この下水処理プラントは「全国クリーン・ウォーター協会」の賞を受賞しているからだ。

 安倍政権による水道民営化は「水道事業の広域化」と「水道管の老朽化対策」のためと謳っていますが、上記のアメリカの例からも複数の自治体が連携して広域化も老朽化対策も民間会社より効率的にできることを証明しています。厚労省水道課水道計画指導室長の報告(2017/8/21, (注22))では、日本の自治体の6割が広域化の必要性を認識しているのに、広域化の検討を行っているのは2割だとのことです。とても露骨なのは、官—官連携を推進するための補助金はないのに、官民連携PFI事業には補助金を出していることです。平成28年と29年度予算・補正予算から合計190億円も出しています。そして2022年度までに21兆円規模の官民連携事業にするとされていますが、これは国民の税金から民間事業者に補助金として支払うという意味でしょうか。
 水道法改正案は今国会で強行採決することは断念したようですが(注23)、改正案成立か否かにかかわらず、下水道の民営化は進められています。その上、2018年7月20日、カジノ法案を強行採決し(注24)、「過労死促進法案」と批判された「働き方改革関連法案」が強行採決され、安倍政権は国民の生命と財産を破壊するのが目的かと憤っていたら、本当にその動きをしているというニュースが飛び込んできました。過労死した人の遺族や過労による障害に対して労働者が申請する労災を担当する労働基準監督署の担当者を666人も減らす計画を厚生労働省が進めているというのです(注25)。過労死しろ、だが労災保険は払わないというわけです。安倍政権が国民・市民・労働者に牙をむいて襲いかかっているような気がします。

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1. 「水道法改正案が衆院通過 広域化で老朽化対策急ぐ」『日本経済新聞』2018/7/5
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32640940V00C18A7PP8000/
2. 「水道の危機 料金高騰へ 民営化と広域化が頼みの綱」『産経ニュース』2018.6.26
https://www.sankei.com/life/news/180626/lif1806260013-n1.html
3. 中村末絵「みんなの水が企業のものになったらどうなる?『水道民営化』を世界の事例から考える」『KOKOCARA』(生協パルシステム)、2018年3月26日
http://kokocara.pal-system.co.jp/2018/03/26/water-privatization/
4. Satoko Kishimoto and Olivier Petitjean (eds), Reclaiming Public Service: How cities and citizens are turning back privatization, Transnational Institute (TNI), Amsterdam and Paris, June 2017.
https://www.tni.org/files/publication-downloads/reclaiming_public_services.pdf
5. Will Hutton, “We can undo privatization. And it won’t cost us a penny”, The Guardian, 9 Jan. 2018.
https://www.theguardian.com/commentisfree/2018/jan/09/nationalise-rail-gas-water-privately-owned
6. Ilias Roubanis, “Consensus no more: how a wave of munisipalisations in Europe is challenging privatization”, New Europe, April 6, 2018
https://www.neweurope.eu/article/consensus-no-wave-municipalisations-europe-challenging-privatisation/
7. 「米国のISD否定 はしご外された日本 東京大学大学院教授 鈴木宣弘氏」『日本農業新聞』2018年03年13日 https://www.agrinews.co.jp/p43522.html
8. 「水道法の一部を改正する法律案の概要」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/193-26.pdf
9. 日置潤一(厚生労働省 医薬・生活衛生局 水道課水道計画指導室長)「水道法改正に向けて〜水道行政の現状と今後のあり方〜」平成29年度 第1回官民連携推進協議会(東京)、資料5、厚生労働省、H29.8.21.
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000179020.pdf
10. 「安倍政権が推進する『水道事業民営化』は、『水という人権』を蹂躙する」『ハーバー・ビジネス・オンライン』2018.07.06
https://hbol.jp/169803
11. 岸本聡子(トランスナショナル研究所)「PFIでの入札価格は40%割高であり、コスト削減効果もなく、透明性も悪化」「問題点が改善するまで、PPPを広い分野で集中的に使うべきではない」—英国会計検査院(NAO)、ヨーロッパ会計監査院(ECA)が勧告—」水情報センター、2018年06月25日
http://www.mizujoho.com/mizujoho/about/tabid/89/Default.aspx?itemid=64&dispmid=467
12. 「世界的趨勢になった水道事業の再公営化」Public Service International, Japan Council、水情報センター
http://www.mizujoho.com/Portals/0/PDF%20世界的趨勢になった水道事業の再公営化.pdf
13. 蒲田司「パリ市水道事業の再公営化」『都市とガバナンス』Vol.29, 2018.
http://www.toshi.or.jp/app-def/wp/wp-content/uploads/2018/05/reportg29_2_6.pdf
14. 内閣府・(株)日本政策投資銀行・(株)日本経済研究所、「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向について」2016年8月
http://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/houkoku/report/pdf/h28kaigai_suidou.pdf
15. 谷川博(日経コンストラクション)「外資が水道事業で攻勢、仏ヴェオリアが松山市から受託」『日本経済新聞』2012/3/13 
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1302A_T10C12A3000000/
16. 「受託実績」、ヴェオリア・ジェネッツ株式会社、2018年7月16日閲覧
https://www.veolia.jp/ja/veolia-jenets/cs-business-results
17. 「日本初 下水道事業のコンセッション方式が事業開始に向けて大きく前進〜浜松市がコンセッション方式の優先交渉権者を決定」国土交通省、平成29年3月21日
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo13_hh_000330.html
18. 「ヴェオリア・ジャパンとオリックスなど、浜松市公共下水道終末処理場運営事業に関する実施契約を締結」『日本経済新聞』2017/10/30
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP461859_Q7A031C1000000/
19. 「役員情報 竹中平蔵」オリックス株式会社
https://www.orix.co.jp/grp/company/about/officer/h_takenaka.html
20. 「民間議員・竹中平蔵氏に“退場勧告”戦略特区に利益誘導批判」『週刊朝日』2017年6月9日号
https://dot.asahi.com/wa/2017053100019.html?page=1
21. Food & Water Watch, Cornell University ILR School Global Labor Institute, Public-Public Partnerships: An Alternative Model to Leverage the Capacity of Municipal Water Utilities, January 2012
https://www.foodandwaterwatch.org/sites/default/files/Public%20Public%20Partnerships%20Report%20Feb%202012.pdf
22. 日置潤一(厚生労働省 医薬・生活衛生局 水道課水道計画指導室長)「水道法改正に向けて〜水道行政の現状と今後のあり方〜」平成29年度 第1回官民連携推進協議会(東京)、資料5,H29.8.21
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000179020.pdf
23. 「水道法改正案、今国会見送りへ」『日本経済新聞』2018/7/13
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33004370T10C18A7EA3000/
24. 「<社説>カジノ法成立 国民不幸にして金儲けか」『琉球新報』2018年7月22日
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-766295.html
25. 「人員減で労災認定遅れも 労基署に配転計画 企業の『働き方』監督部署増員」『東京新聞』2018年7月23日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018072302000125.html